【涙雨】ブーゲンビル島慰霊巡拝Ver.です!
さて、全国リリース第二弾として予定している
【涙雨】の現地慰霊巡拝バージョンの映像ができました!
昨年、4月ガダルカナル島、7月ブーゲンビル島と2度に渡って『全国ソロモン会』に同行し、
太平洋戦争時代の戦没者慰霊のために現地で唄ってきました。
撮影した映像自体は、
ガダルカナル島慰霊巡拝に同行した放送作家の”原渕”氏から、
ブーゲンビル島には同行できないので
自分が絡むドキュメンタリー番組用に
ホームビデオで簡単に様子を収めて来て欲しいと言われ撮影したものです。
それでも、60分テープ3本分になったので、
第二弾シングル【涙雨】のブーゲンビル島慰霊巡拝Ver.として
今回、”BLUE OKAZAKI”氏に映像を編集して頂き完成しました!
今年は、戦後65年にあたりますが、
やはり恒久の平和というのは人類にとっての永遠のテーマ。
この【涙雨】を全国リリース第二弾としてリリースするにあたって、
その背景と言うか、自分の率直な考えを語ってみたいと思います。
実は、自分は恥ずかしながら『全国ソロモン会』との出会いがなければ、
かつての大戦に対してそれほど深く掘り下げて考える人間ではありませんでした。
ただ、自分が音楽活動を踏み切った時に
それまで巷に流れている音楽の多くが、
何か「君と僕」、「あなたと私」的な狭い視野の中で唄われているものがほとんどで、
正直、そういったビジネス志向的な音楽ばかりの流れに憂いを感じていて、
微々たる力かも知れませんが、
音楽を通して、これから日本を背負う特に若い世代に精神的な部分で問題提起し、
一石を投じたいという強い思いがありましたね。
日本の将来を考えたときにやはり憂いがあり、
国家というと大きな感じですが、
国家を成り立たせているのは人間一個人であり、
まずは一個人の精神的な復興というのが鍵になってくると思っています。
精神的な復興とは何か?と考えると、
結局、行過ぎた個人主義の蔓延に伴う社会秩序の乱れ、
そのあたりの価値観を正していくような機運が出て来ないといけないと思っています。
当然、戦時中の行きすぎた全体主義というのも問題を含む部分が多々あるとは思いますが、
自分がこの国に生まれ、生きている以上は、
母国日本を愛する精神というのは自然なことであり、
組織においても当然言えることですが、
例えば会社において、
愛社精神がない社員で成り立った会社が発展するわけがないのと同じで
愛国心のない国民で成り立っている国家が繁栄するわけはないでしょう。
個と全体のバランスというのも当然重要だとは思いますが、
国家のためにとか、社会のためにとか、より大きな目的のために、
または、他者のためにとか、
とにかく自己犠牲を選択するような価値観が否定され、
個人主義が横行するような社会であれば間違いなく崩壊していくでしょう。
詳しいことは忘れましたが、
何年か前に線路に落ちた日本人を助けるために線路に飛び降り、
日本人を救った韓国留学生がいたと思います。
日本人は助かり、彼は亡くなってしまいましたが、
日本社会でも彼の勇気を讃え大きく報道されていたと思います。
もし、個人主義的な価値観を重視した考え方をすれば、
彼の死は本当に馬鹿馬鹿しいものになってしまうはずです。
でも、その彼の死を大きく報じた日本のメディアにも、
そのことに共感した日本社会も捨てたものではないと思った記憶があります。
そして、また立派だと思ったのが、
彼のご両親が、確かそういう死を遂げた自分の息子を誇りに思うと述べていたことです。
きっと、そういうご両親に育てられたからこそ、
他者の為に自分の命を惜しまない勇気ある行動が取れたのだと思います。
彼の死は、今後も記憶に残されなければならないし、
日本社会から絶対忘れ去られてはならないことと思いますが、
日韓友好ということに対しての大きな布石を残したと思います。
少し話がそれましたが、
戦時中、日本の国家中枢部で執られていた国策の方向性云々はともかくとして、
当時の日本の一般国民である若者たちが、
自らの意志ではどうしようもない国家が決定した方向性の只中で、
国家を思い、家族を思い、
自らを奮い立たせ命を投げ打って戦地に赴いたその精神は尊いものであり、
軽んじ、蔑んではならないし、
かつて、国家に忠誠を尽くした結果戦争で多くの犠牲を出したからと
「愛国心=戦争に向かわせる」というような発想から
愛国心を否定するはとても浅はかな考えであり、
個人主義を社会に蔓延させる大きな要素になっていると思います。
当然、偏った愛国心ではなく愛国心の質の問題も問われないといけないとは思います。
今の時代を生きる我々は、
すでに過去のことで臭い物に蓋をするような感覚で
かつての大戦で払われた大きな犠牲に対して無関心であってはならないと思います。
そういう尊い命の犠牲の上に今があることを謙虚な気持ちで受け止め
平和であることへの感謝の気持ちを少しでももって生きていくべきだと思います。
こういうことも、『全国ソロモン会』との関わりの中で自然発生的に出てきた思いで、
そこに、日本の精神復興の鍵があるような気がしてなりません。
そう言えば、自分も面識のあるシベリア抑留を経験されたご年配の人類学者の方が、
大変平和を愛する方でもありますが、
日本の現状を踏まえながら、
「今後日本がもう一度復興するには、
戦前、戦後ようなああいう時代に戻らない限り難しいだろう。」
とおっしゃられていましたが、
自分の考えているような精神的な部分で一致するのでは?と思いました。
自分の命を尊べるからこそ相手の命も尊べ、
決して偏った愛国主義ではなく、
自分の母国を愛せるからこそ本当の意味で他国も尊重し尊べる。
そこから真の国際平和の礎が築かれると思っています。
平和とは、「命の尊厳」であり、
かつての戦争で犠牲になった方の慰霊巡拝、遺骨収集ということも、
まさに「命の尊厳」を重んじている行為以外の何物でもなく、
平和を希求していくうえでは、
もう遠い過去のこととして軽んじてはならないことだと思います。
この【涙雨】は、かつての忌わしい大戦で戦没された全世界の戦没者に
鎮魂歌として捧げたいと思います。
長々と書いてしまいましたが、どうぞご覧下さい!
https://www.youtube.com/watch?v=4KmArwUj7nk
注)PV最初に出てくる3人の戦没者の遺影は、
一人目は、自分の母方の伯父【平腰武司】(シベリア抑留中に死亡、享年23才)。
二人目は、「全国ソロモン会」吉田幸子さんの父上様【佐藤三郎】(ブーゲンビル島で戦没)。
三人目は、追っかけ3号”S”さんの大叔父様【山口萬吉】(ガダルカナル島で戦没)。
先日、大掛かりで撮影した”佐久間”監督のPVも、
一部になるとは思いますが、近日中にお披露目できる予定です。
※それから、2007年暮れ、
ジャーナリスト”笹幸恵”さんを追いかけた
ガダルカナル島遺骨収集のドキュメンタリー番組です。
この番組を夜中にたまたま見て
戦争の傷跡が今も尚こうして深く残っている事実を目の当たりにしたことから
大変な衝撃を受け【涙雨】が生まれました。
見たことが無い方は、是非ご覧くださ~い!
https://www.youtube.com/watch?v=XJBM8aSGsv8
https://www.youtube.com/watch?v=F6cEIJW1VdM&NR=1
https://www.youtube.com/watch?v=70T4SCCoM24&NR=1
https://www.youtube.com/watch?v=6LaChr_VkhY&NR=1
https://www.youtube.com/watch?v=pwjFkLg-f-A&NR=1